引き続き死海のお話を記していきたいと思います。
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美容のために体中〇〇だらけになろう
死海が観光客に人気があるもう1つの理由は沿岸にある「泥」を使った全身パックです。
ビーチのあちこちであ互いに泥を塗りまっている人達がいて、中にはしのまま輪になって踊っている人達もいました
私も試しに全身に塗ってみました。
塗った泥が完全に乾燥するまで待って、シャワーで流すとまるで美肌の温泉にでも入ったかのように肌がつるつるになりました。
死海の塩分を含んだ泥は肌に良いとされ、化粧品やせっけんの添加物として珍重されています。
作られた化粧品などは沿岸のホテルの売店や大都市のデパートで購入することができます(値段は日本より若干安い程度)
死海は水面下にあることと蒸発した水分がフィルターになり紫外線が届かず、日焼けの心配をする必要がほとんどありません。
また標高が低いことから世界中で酸素濃度が一番濃く、頭がすっきりする、湖水に含まれる「臭素」という成分には精神安定作用があるとされ、死海の周りにいるだけで心が落ち着くといわれています。
直面している深刻な問題とは
そんな観光客に人気のある死海ですが、一方では深刻な問題が持ち上がっています。それは「湖面の低下問題」です。
イスラエルの研究機関の調べによると、この40年間で毎年1メートルずつ低下し、2050年までには完全に干上がってしまうと危惧している研究者もいます。
その最大の原因は死海に流れ込むヨルダン川から大量の水をくみ上げていることだと考えられています。
1960年代以降に周辺のイスラエルやヨルダンが飲料水や工業用水を必要として取水が必要となったからです。
死海は流れ込む水と気候による水分の蒸発によりバランスを保ってきましたが、流入する水量が減ってしまったために水面の低下に至っています。
また、化粧品などの添加物の原料採取として行われている湖水の汲み上げも影響している、と言われています。
この問題に関して、死海と紅海を繋いで水を運びこもうとするプラン(レッドデッドプロジェクト)が検討されています。
2013年、イスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治政府は紅海の水を死海に取り込むパイプラインの建設計画を含んだ水資源の分配計画に署名しました。
この案では両国に対し、以下のメリットがあるとされています:
・ヨルダン ⇒ パイプライン沿いに水力発電所などのインフラ建設が可能になること。
・イスラエル ⇒ 水を流し込むことにより、死海を保つことができること。
この計画は世界でも評価され、一部の国からは支援も表明されましたがアメリカの政策の変化や当事国同士の関係悪化などにより膠着状態となっています。
まとめ
死海へのツアーはテルアビブからの場合は米ドルで60ドル前後、エルサレムや周辺の観光スポットも含んだツアーもある様です。
(日本からもVELTRAなどから予約可能です)
ぜひぜひ、世界で唯一ここでしかできない「水面に浮かんでの読書」を体験してみてください。