このタトゥーの意味は….

商用で何度の訪れた事のあるイスラエル。
今回はテルアビブ市内のディスコで遭遇した用心棒と交わしたお話について
記したいと思います。

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入店するにも一苦労

昔、商用でイスラエルのテルアビブに2週間程滞在していました。
仕事で扱っていた機材のテクニカルトレーニングを受講することが目的で、トレーニングには、3~4ヵ国からエンジニアが参加していました。

そんなある日の朝、何時も通リに貸し切りタクシーワゴンでトレーニングセンターへ向かう途中、リーダー格の1人(アメリカ人)が

「今晩、ディスコへ行かないか」と提案。

他のみんなが「行こう、行こう」と賛同している中、騒がしい場所が嫌いな
私は、参加するつもりが無かったので、一人遠い目をして車窓を眺めていました。

隣に座っていたメキシコから来ていたエンジニアに「行かないのか」と聞かれたので、「踊れないし、うるさい場所が嫌いだから行かない」と言ったものの、
「カウンターでビールでも飲んでいればいいじゃないか」と、しつこく誘われ、結局行くことに。

夜間のテルアビブ市内

ディスコに到着

夕食後にホテルのロビーに集合してタクシーに分乗、トレーナーがおススメの市内のディスコへ。

ディスコに到着すると、入口には長蛇の列が。入口にはシュワルツェネッガーの様な体格の用心棒が2人で入場客1人1人のボディチェックを行っています。

(ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、イスラエルは安全上の理由から、出入国はもちろん、街中の施設(特に不特定多数の人間が出入りするショッピングモールなど)には厳重なセキュリティが施されており、入口には拳銃を持ったガードマンが各人の鞄の中身を目視で確認&棒状の金属探知機で検査、その後空港と同じレベルの金属探知機を通過しなければなりません)

長い間待って、いよいよ自分がチェックを受けることに。

何も悪い事などしていないのに、ちょっとだけ緊張。

鞄&棒状の金属探知機のチェックも終わり、無事ディスコへ入れることになったのですが、その際に用心棒の1人が

「何処から来た?」と尋ねてきたので、

「日本だけど」

「そうか」

他にはアジア系はいなかったので、珍しがって聞いてきたのかな、と思いながら店内へ。

二の腕に彫られたものは・・・

案の定、店内はうるさいので(当たり前ですが)、私は逃げる様にカウンターの隅っこでビールを立ち飲み

ふと視線を感じたので周りを見てみると、先程ボディチェックをしていた用心棒2人が時々私の方を指さしながら話をしているのが見えました。

「何かマズい事したのかな」と、思いつつビールを飲んでいたら、私に尋ねてきた用心棒がこちらに向かって歩いてきました。

正直ビビって動けない私の横に来て、

「おまえ、日本から来たっていったよな」

「そ、そうだけど・・・」

「日本人は漢字キャラクターを使うんだろ」

「は、はぁ」

「そうか。それはよかった。俺は腕に漢字キャラクターのタトゥーを彫っているんだ。彫った時に彫り師がその意味を教えてくれたが、日本人のお前にもう一度意味を教えて欲しい」

と言いながら、シャツの袖を捲って右手の二の腕に〇〇と彫られた漢字のタトゥーを見せてくれました。

用心棒は「どうだ。この意味はなんだ?」とドスの利いた声で尋ねてきました。

それを見たとき、私の目は「???」となり、次いで腹の底から笑いがこみあげてきましたが必死で堪えました。

目の前に筋肉の塊の様な男がいて、他にも何人かの用心棒がこちらを見ています。この状況でもし笑ったり、本当の事を言ってしまったら殺されるかもしれない、と考えた私はとっさに

「あぁ、これは日本語で”べりー すとろんぐ”って意味だよ」という言葉が口をついて出てしまいました。

すると用心棒は「そうか。俺もそう思っていたんだ。ありがとう」と言い、さらに「奢りだ」と言いながらカウンター横の冷蔵庫からビールを3本程持って来、私の肩を叩きながらその場を去っていきました。

私は急にいたたまれなくなり、急いで奢ってもらったビールを1本だけ飲み、先にタクシーでホテルに戻りました。

彼の腕には何と彫られていたか・・・

それは

「朝 食」

私にはあの場面で「あぁ、それは日本語で”ぶれっく ふぁーすと”って意味だよ」と言えるだけの度胸はありませんでした・・・・。

テルアビブ近郊の海水浴場

彼がどこでそのタトゥーをを彫ったのかは解りませんが、漢字のタトゥーを彫る外人さんはその意味で判断するのではなく、文字の形で判断するようです。
(とは言っても”朝食”を選ぶセンスもどうかと思いますが)

また、テルアビブのビーチではおヘソに下に”腰”と彫っていたビキニを着た若い女性も見ました。

彼らはいま、どうしているのだろうか・・・・

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