今回もイスラエルについて(その2)、現地での生活に関わる話をを記したいと想います。日常の生活の中にも宗教(ユダヤ教)が深く関わっています。
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現地の人々(ユダヤ教徒以外も含む)の食事
ユダヤ教徒にはイスラム教などと同じように厳しい食事の戒律があります。
この食事に関する規定は「カシュルート」と呼ばれ、「食べてもよいもの」、「食べてはいけないもの」を明確に分けています。
カシュルートで決められた「食べてもよいもの」は、「コーシャ(又はカシェルとも)」呼ばれ、それらの材料を使い、カシュルートに則った方法で調理されたものを「コーシャミール」と言います。
(国際線の航空機などでは事前に希望すればコーシャミールを用意する会社もあります)。
カシュルートで定められたコーシャ
カシュルートで定められたコーシャは、下記のようなものがあげられます:
・4本足の獣のうち、蹄が分かれていて反芻をするもの(”反芻~”の意味がよくわかりませんが・・・)
・水中に生息するもので、ヒレと鱗のあるもの
・猛禽類等を除く一部の鳥類
・イナゴやバッタなどの一部の昆虫類(食べている人を見たことはありませんが・・・・)
具体的には豚やウサギなどの草食動物、甲殻類、イカやタコ、白鳥やカモメ、ダチョウ等々・・。
また「食べてもよい」とされている牛などでも、しっかり血抜きされていないもの、屋外で他の獣に襲われて死んだ物、自然に死んだ者
などはカシュルートでは「忌避すべきもの」に該当します。
また、カシュルートでは、”肉類と乳製品を同時に摂取してはいけない(胃の中に入れてはいけない)”事になっており、肉を食べた場合は
6時間以内に乳製品を、逆に先に乳製品をとった場合には最低30分は肉を食べてはいけない、となっているそうです。
すべてのイスラエル国民がそうではないですが、ユダヤ教徒ではなくても豚やタコ、イカなどを食べない(食べられない)人達は多くいました。
(そもそもメニューに載っていないし、売ってもいない)
外国での食事は一苦労・・・・
そんな彼らが外国に旅行した時に苦労する、または自分たちがユダヤ人である事を実感させられるのが食事、だといわれているようです。
アメリカなど古くからユダヤ人の多い国や地域などでは、コーシャミールを提供するレストランなどもありますが、そうではない国(特にアジア地域)では大変なようです。
私も仕事柄イスラエルから来日した人たちと接する機会が多くありましたが、食事にまつわるエピソードが多くありました。
彼らと一緒に仕事をする際には、冗談も含めて必ず伝えていたことがありました。それは、
「何かミスをしたら、ペナルティとしてポークカツレツ(とんかつ)かオクトパスボール(タコ焼き)を食べてもらうからそのつもりで」
多くは効果絶大でしたが、中には冗談だと思っていたのか不真面目なヤツもいて、そんな輩を実際にとんかつ屋に連れていった(食べさせませんでしたが)
こともありました。
また、ハンバーガーを食べたい、と言われたのでマクドナルドへ行きオーダーを聞いたところ、
「チーズバーガーのチーズ抜きが食べたい」
「じゃあ、普通のハンバーガーでいいよね」というと、「いや、俺はチーズバーガーのチーズ抜きが食べたいんだ!!」
チーズバーガーのチーズ抜きと普通のハンバーガーが変わらないことを説明しても頑として譲らず。
結局、店員さんに注文すると「普通のハンバーガーでよろしいですよね?」と聞かれたのですが、「いや、チーズバーガーのチーズ抜きで・・・」
とお願いしたら大笑いされたこともありました。
その他にも寿司屋に行っても大人数でひたすらサーモンばかりを食べていたりとか色々な思い出があり、面白い経験をさせてもらいました。