きょう、2月6日は「お風呂の日」であることをご存じでしたか?
温泉、銭湯。家庭の風呂など日本独自のお風呂の文化の魅力を広める目的で日本のお風呂の文化をユネスコの世界無形文化財に登録を目指して
活動している千葉県にある一般社団法人が、日付を「2(ふ)6(ろ)」(風呂)と読む語呂合わせから2月6日を「お風呂の日」として制定したものです。
普段、生活の一部としてごく当たり前のように入っているお風呂ですが、何時から始まり、どのような変化を経ていったのでしょうか?
Contents
日本のお風呂の歴史 1
世界的に見ても火山が数多くある日本では昔から温泉や岩場の洞窟などから出る蒸気を利用した「蒸気浴」を利用していたそうです。
日本のお風呂の歴史は6世紀までさかのぼります。中国から仏教の伝来と共に伝わってきた沐浴とされています。
仏教では、汚れを落とすことは仏に仕える者の大切な仕事として、沐浴の功徳を説いたといわれ、多くの寺院では湯堂にて施浴が行われたとされています。
入浴は病気を除き七福を得るとか、健康を得られるいう教えもあり、寺院に参詣する客や、浴堂の無い庶民を入浴を施していたことから入浴の習慣が始まった、とされています。
昔は「湯」と風呂」は別なものでした。
「湯」は今でいうところのおふろと同じで湯に体を浸すものでしたが、一方の「風呂」は蒸し風呂のようなもので発生させた蒸気で体から汗をだし、垢をこすり落として掛け湯をする、といったものでした。
今でいうところの「スチームサウナ」と一緒ですね。
日本のお風呂の歴史 2
今日のような公衆浴場である「銭湯」ができたのは、安土桃山時代になってからです。庶民も銭湯を楽しむことができましたが当時はまだ「蒸し風呂」が主流で、膝から下が湯につかる「半身浴」が中心でした。
また、内風呂は上級武士しかありませんでした。
江戸時代の初期に肩まで浸かることのできる「据え風呂」が登場しました。
この当時のものは薪を燃やして直接浴槽を温めるタイプが主流で、「五右衛門風呂」はこの当時に登場したものでした。
当時の銭湯は非常におおらかなもので、混浴が多くありました。その後行われた当時の幕府の改革で混浴は「風紀を乱す」との理由で一時混浴は禁止されましたが、明治の後期まで混浴は続いていました。
黒船で来航したペリーも「混浴」の習慣に困惑したようで、自身が記した書物にもその模様を記しています。
海外のお風呂事情
外国旅行経験者に行くと、ホテルの部屋がシャワーだけだったり、バスタブがあっても洗い場がなかったりして戸惑ったことがあった方はいらっしゃいませんか?
現在、世界最古といわれるバスタブは紀元前1500年頃に作られたとされるギリシャのとある宮殿にあるものです。
古代ローマやイギリスなどでは大浴場があり、お風呂を楽しんでいたようです。
ちなみに英語でお風呂を意味する「Bath」は、当時お風呂が大好きだった古代ローマ人が大浴場と神殿をイギリスの「バース」という都市に作ったことが語源とされています。
欧米諸国では、お風呂は「リラックスする場所」ではなく、体を清潔に保つ場所です。(当たり前ですが)
日本の浴室と違い、洗い場がありませんから浴槽の中で体を洗うことになります。
体も頭も洗えば当然、お湯は汚くなりますので次に入る人のために都度、浴槽を流してお湯を入れなおさなければなりません。
ですので、海外では浴槽に毎日お湯を張ることはあまりなく、シャワーを使う人が多くいます。
体を清潔にするのが目的ですから、シャワーであれば汗をかいたり、体が汚れてしまった場合などに手軽に使うことができます。
外国の家庭では、住人がそれぞれのペースでシャワーを浴びることができるように、各部屋にシャワールームがついている家が多いようで、大きな家では3~4つのバスルームがあったります。
今どきのお風呂
テレビなどのコマーシャルで見かけますが、最近のユニットバスには様々な機能が付いています。
昔は珍しかったテレビ付きの浴槽などは当たり前、床だけでも
・断熱構造になっていて冬でも足の裏が冷たくならない。
・スイッチ1つで、除菌された水で床面を自動で洗浄してくれる。
・ヘッドのバルブを選択することで、打たせ湯やミスト状のシャワー等様々なタイプのシャワーが楽しめる。
・様々な色の水中照明を備えた浴槽。等々・・・
また、入浴剤などでも肩こりや疲労回復に効果がある、される「炭酸ガス」を含んだものや、お肌の調子を整える「保湿効果」の高いもの、就寝前にお風呂に入りたい人の為に香料(ラベンダーの香りなど)を含んだものなど、様々なタイプの入浴剤が売られています。
まとめ
私もお風呂が大好きで、自宅はもちろん近郊の温泉によく出かけます。
遠くの景色を見ながら露天風呂に入っている時などは最高のストレス解消、リラックスになります。
また、温泉やスーパー銭湯などでも外人さんを見かけることも少なくありません。
最初は何か緊張でもしているのか、表情が強張って見えるのですが、浴槽にしばらく浸かるとだんだんと表情が柔らかくなり、見た目にもリラックスしているのがわかります。
一緒に入っているおじさんやちびっこ連中ともお互いカタコトの日本語や英語を使って楽しそうに会話している姿も見られました。
昨今の緊急事態宣言などの事情で温泉・銭湯の利用が制限されたりして自由に使えないこともあったりしますが早く状況が改善され、またゆっくりとお風呂に浸かりたいものです。