あなたの名前が天体の名前になるかも? その名前はどうやって決めるのか

時事

天体観測を趣味とされている方もいらっしゃるかと思いますが、もし、あなたが新しい天体(小惑星とか彗星)を発見した場合、発見者であるあなた自身にその天体の命名権はあるのでしょうか?

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彗星を発見した場合の名前の付け方

天体に自分の名前や新しく発見した天体に自分の好きな名前を付けられたらいいなぁ、と思っている方はたくさんいらっしゃるかと思います。

全てではありませんが、天体の種類によってはそれが可能な場合があります。ここでは彗星と惑星を例にとって調べてみました。

彗星とは、日本では「ほうき星」などとも呼ばれ、岩や氷などの星の核である部分が太陽に接近すると太陽風の影響を受けて溶け出し、揮発性のガスと共に放出されます。

それが太陽の光に反射して光ることで、その時の彗星の形が「ほうき」に似ている事から「ほうき星」と呼ばれるようになりました。
(彗星の尾の部分は進む方向に関係なく、必ず太陽と逆方向に発生します)

彗星を発見した場合は、自動的に発見者の名前が付けられます。複数の発見者がお互いの情報を知らずに発見した場合には、その発見した順に命名されます。

(1997年に地球に接近した彗星の場合、発見者がアメリカ人のへールさん、ボップさんだったので、順番に彼らの名前を取って「ヘール・ボップ彗星」と命名されました)

小惑星を発見した場合の名前の付け方

小惑星とは、主に岩で出来ており、物質を放出しない小天体の事をいいます。小惑星であっても、球形に近い形をしているものは将来的に「準惑星」に格上げされる可能性があります。

新たに発見された小惑星の場合、その情報がハーバード大学内にある国際天文連合(IAU)の下部組織である小惑星センター(MPC)に送られます。

そこで複数回の観測を行って軌道要素が決定された時点で仮の名前として「仮符号」(例:1999 JU3)が与えられます。

この「仮符号」は3つの符号から構成されています。(先の挙げた1999 JU3を例に説明します)

・「1999」⇒これは発見された年(西暦)を示しています。(発見年)
・「J」⇒1年を24の期間に区切り、それぞれにアルファベットを割り当てることにより、より細かい時期を示します。(半月番号)
・「U3」⇒先に挙げた「半月番号」の期間内にの何番目に発見されたかを示すもので、独自のルールの下で決められます。(順序符号)

仮符号が付けられた小惑星は、その後の観測により過去に発見された小惑星であったり、別の天体であったなどの可能性があります。

観測の結果小惑星の軌道が決定され、また過去に発見されていない小惑星であることが小惑星センターに認定された場合、「小惑星番号」が付与され、1つの新しい天体として登録されることになります。

例としてあのはやぶさ2が目指した「リュウグウ」は、「小惑星 162172 リュウグウ (1999 JU3)」となります。

命名方法

「小惑星番号」が割り当てられた小惑星には、名前をつけることができますが、いかに挙げる細かいルールが存在します:

・名前が以前に命名された名前と重複していないこと
・発音が容易であること
・アルファベット16字以内であること
・できるだけ1語であること
・人名も可であるが、それが政治家又は軍人であった場合、死後100年が経過していることを原則とする。
・ペットの名前は原則として好ましくない、などなどです。

過去に10万個以上発見されている小惑星ですから、様々な名前が付くことがありますが、変わったところでは、

<ジェームズ・ボンド。小惑星番号に007rという番号を含むため>
<仮面ライダー。あの「仮面ライダー」から命名されました> 

などがあります。

まとめ

夜の空には、無数の星が瞬いており、毎日地球上の各地で研究者によって新しい天体が発見されていることでしょう。
あなたが何気なく見上げている夜空の星の中には、驚いたり笑ってしまうような名前を持った星があるのかもしれませんね。

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