現在、猛威を振るっているコロナウィルスによる肺炎の簡易診断に
使われる機器の1つにパルスオキシメーターがあります。
1974年に日本で開発されたものですが、体温計や血圧計などのように
世間でメジャーなものではありません。
何をどのように測定し、どのように使うのでしょうか?
調べてみました。
Contents
どのようなきっかけで開発されたのか
パルスオキシメーターは、1974年に日本光電工業株式会社の青柳卓雄氏ら3名により日本で開発されました。
パルスオキシメーターは、血液中に含まれる酸素の量(血中酸素濃度:SpO2)を測定し、その値により、心肺機能の状態を知ることができます。
この血中酸素飽和度(SpO2)を測定する方法は、採血を行って直接計算する方法もありますが、光学機器を使って血を抜くことなく連続的に血中酸素飽和度を測定する方法があります。
これは耳たぶを洗濯ばさみ状のセンサーで挟む「イヤーオキシメーター」と呼ばれる機器を使って1940年代から行われてきました。
しかしこの方法では、事前に耳を圧迫する、温める、等患者に対して負担をかける事、測定が安定しない事、等の問題が多く一般に普及するには至りませんでした。
これらの問題を解決するためにパルスオキシメーターの研究・開発が行われ、1974年に日本でその原理が生み出され、製品化されました。
どうやって血中酸素濃度を測るの?その使い方は?
では、どのようにして血液中の酸素濃度を測るのでしょうか?
パルスオキシメーターは、血液の赤い色を見ています。
血液は血漿と呼ばれる液の中に浮かんでいる無数の赤色の細胞(赤血球)が浮かんでいるために赤く見えるもので、血漿は薄い黄色の液体です。
この赤血球の赤い色も内部のヘモグロビンという色素の色で、このヘモグロビンは、酸素と結びつくことにより、鮮やかな赤色になります。
パルスオキシメーターは、この赤色の度合いをみることで血中の酸素濃度(酸素に結び付いたヘモグロビンの比率)を見ています。
パルスオキシメーターは、赤い色の出る装置(プローブと呼ばれる)を指先に挟み、皮膚を通じてプローブにある受光部センサーが、流れる動脈の血流を検知し、その光の吸収値から流れる動脈血中の酸素飽和度を計算、表示します。
値は一般的に96~99%までが標準値とされており、普段の数値から3~4%下がっていれば医師の診察が必要となり、90%以下であれば十分な酸素を全身の臓器に送れなくなっている状態(呼吸不全)になっている可能性があります。
何処で購入できるの?購入に際して補助金はあるの?
オキシパルスメーターは、一般の家電量販店や通信販売で簡単に購入することができます。
価格は製品の精度や機能によって異なりますが、おおよそ一万円前後のものが主流のようです。
パルスオキシメーターの購入については、居住している市町村により助成を受けられるものもあります。
たとえば、東京都小平市の場合を見てみると、要件を満たせば、原則購入価格の9割を自治体が負担してくれます。
まとめ
パルスオキシメーターは、病気の簡易診断だけではなく各種トレーニングコンディションのチェックや
登山時の高山病予防にも使用することができます。
また、普段の生活でも日常的に計測することで体調管理の一助にもなります。
それほど高価なものでもないので、購入して自身の健康管理に役立ててみてはいかがでしょうか。