コロナ治療薬第一号、レムデシビルが国内で承認!他の薬はどうなのか?

時事

現在、緊急の課題となっている新型コロナの治療薬の国内第1号として、
エボラ出血熱の薬として開発されたアメリカ製のレムデシビルが承認されました。
外国で高い実績と効果を示す医薬品でも、日本国内の一般治療に使用できる
ようになるまでは、長い時間がかかるのが実情です。

何故そのような事が起こるのか。

新型コロナに対する治療薬ではどうなのか。

レムデシビル、アビガン等の治療薬の現状は。

調べてみました。

Contents

なぜ、高い効果・実績を持つ薬が使われないのか

一般的に、日本で新しい薬を開発~承認を得るまでには9~17年、
その中で承認申請から承認まで1~2年かかると言われています。

近年、抗がん剤や症例の少ない疾病などをを中心に海外では高い効果、実績を
持ち、承認されている医薬品が日本では未承認のために使用することが出来ない
問題がマスコミなどで取り上げられるようになりました。

国内未承認の新薬を使っての治療が必要な患者は、健康保険適用外で毎月10万円
単位の負担をしなければならず、高額の費用負担がネックとなり最新の治療を
あきらめる人も多くいます。

これは薬の承認格差、「ドラッグ・ラグ」と呼ばれ、海外で開発された新薬が
日本でで使用出来るようになるまでの時間差の事をいい、現在は平均で4年といわれています。(アメリカでは1年強です)

これは日本で開発されたものも例外ではありません。

日本のメーカーが開発した心臓大動脈瘤の治療器具は、ヨーロッパの承認が下りてから遅れる事10年、人工心臓については3年もかかっています。
また、外国で承認が下りてから10年以上未承認の器具も存在しています。

日本国内での薬の承認スピードが遅いことを理由に、海外の製薬メーカーは
日本での新薬開発を減らしているようです。
同様に日本の製薬会社も研究開発部門を海外に移転させるところも出てきています。

なぜ、その様な事が起きるのか。

原因として考えられるのが、

①審査を行う審査官が外国に比べて少ない。
②臨床試験の期間が外国に比べ長い
③審査機関が長い

等が挙げられます。

レムデシビルはなぜ、短期間で承認が下りたのか

今回、感染症対策の1つとして、世界で最多の感染者数を出しているアメリカ国内での緊急使用許可を受け、このレムデシビルについて厚生労働省は国内の薬事承認を簡略化できる特例承認の対象として、承認申請から3日で承認しました。

日本では、過去にイギリスとスイスの企業のワクチンが2009年~2010年にかけて流行した新型インフルエンザ対策として承認されています。

その他の治療薬はどうなのか?

今回承認されたレムデシビルについては、アメリカのギリアド・サイエンシスという製薬会社が本来エボラ出血熱用の薬として開発していた点滴薬です。

エボラ出血熱の臨床試験として、コンゴで使用された以外は世界のどの国・地域でも承認されていません。
また、その臨床試験の際も効果がなかったという説もあります。
あわせて、その試験の際にも様々な副作用(低血圧、多臓器不全、等)が報告されています。

この薬は、実験室で行った細胞の培養での結果でこのコロナウィルスの増殖を抑制に効果が合った、と医学雑誌上で発表され、知名度が広がりました。

この薬は重症患者に対しての症状改善い期待がかけられていますが、死亡率には変化が無かったということもあり、特効薬としては難しいのでは?という説もあります。

アビガンは、2014年3月にインフルエンザの治療薬として厚生労働省からの承認を受けました。
中国や日本などでも軽症患者を中心に多くの効果が認められており、日本政府も海外へ無償で配布しています。

この薬にも副作用があり、下痢や急性腎障害などが認められており、他に動物実験では催奇形性が確認されていることから、厳格な安全対策をとることが承認条件となっています。

まとめ

以前から、医療関係にまつわる問題は様々な問題が指摘されていましたが、いつの間にかうやむやになっていたような気がします。

今回の事態に際して、今後の薬事審査の迅速化、それらにかかわる諸問題についての透明性が高まる事を期待したいと思います。

タイトルとURLをコピーしました